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日帰り手術の流れ
おぎのクリニック京都駅前では、患者様の負担を最小限に抑えつつ、高い治療効果を実現するために、日帰り手術を提供しています。
以下に、手術の予約から術後のフォローアップまでの流れをご紹介します。
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予約
鼻閉・副鼻腔炎手術相談外来の予約をお取りください。
担当医
- 火・水・金・土曜:荻野枝里子
- 月曜:中川隆之
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受付
受付時に手術希望の旨をお伝えいただくと、よりスムーズな診察が可能です。
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精密検査と手術の検討
初診時に各種検査(CT、内視鏡、嗅覚検査、血液検査等)を実施します。結果を基に、手術の適応、期待される効果、想定されるリスクについて詳しくご説明いたします。
手術を選択された場合、手術日程と術前検査日を調整いたします。
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術前評価
手術の約1ヶ月前に、心電図、胸部X線、呼吸機能検査等の術前検査を行います。結果は麻酔科医とともに評価し、必要に応じて追加検査や循環器専門医の受診をお願いすることがあります。
喘息の既往歴をお持ちの患者様には、呼吸機能検査を実施し、その結果に基づいて個別の対応を行います。場合によっては、手術当日まで吸入ステロイド薬の使用を継続していただくことがあります。
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手術の説明
手術の具体的な内容とリスクについて、再度詳細な説明を行います。ご家族やご友人の同席をおすすめしております。
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術前準備
禁煙、服薬調整、鼻洗浄(鼻うがい)など、手術に向けた生活上の注意点をお伝えします。
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手術前日の注意事項
手術前日23時からの絶食、また水分摂取の制限(水やお茶、清涼飲料水以外は不可)をお願いします。アルコールは手術前日から術後2週間まで禁止です。
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手術当日の注意事項
手術当日も引き続き絶食をお願いします。
- 午前中に手術予定の方:朝6時以降は水分摂取も控えてください
- 午後に手術予定の方:朝8時以降は水分摂取も控えてください
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来院
ご来院後、当日の健康状態を確認して手術着へお着替えいただきます。その他、手術の準備を進めます。
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手術の実施
手術室に入室後、医師と看護師が手術内容や麻酔方法について最終確認を行った上で、麻酔を投与します。
手術の所要時間は内容によって異なりますが、通常1~3時間程度です。
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手術後のケア
手術終了後、麻酔からの覚醒を確認し、60~90分程度リカバリールームでお休みいただきます。出血や血圧など、状態が安定していることを確認後、ご帰宅いただきます。
付き添いの方がいない場合は、提携病院(康生会武田病院)での一泊入院をお願いしています。
なお手術当日の食事は、消化に良いものを少量だけ摂るようにしてください。
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手術後のフォローアップ(手術1週間~1ヶ月後)
手術後1週間から1ヶ月の期間は、回復過程を慎重に観察し、適切なケアを提供します。
- 経過観察と処置:状態に応じて、定期的に診察を行います
- 抜糸:鼻中隔手術を受けられた方は、必要に応じて抜糸を行います
- 創部の確認:内視鏡を用いて手術部位の治癒状況を詳細に確認します
- 投薬管理:症状に応じて、内服薬や点鼻薬を処方し、継続使用をお願いすることがあります
- ご自宅でのケア:鼻洗浄(鼻うがい)を継続的に行ってください
など
※通院頻度は手術の内容や回復状況により個別に設定いたします。ご不明点があれば、遠慮なくお尋ねください
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手術後のフォローアップ
(3ヶ月後)
手術から3ヶ月が経過した時点で、総合的な治療効果の評価を行います。
- CT検査:副鼻腔の状態を詳細に観察し、手術による構造的変化を確認します
- 鼻腔通気度検査:鼻呼吸の改善度を客観的に測定します
など
これらの検査結果を術前の状態と比較し、手術の効果を総合的に判断します。また患者様の自覚症状の変化もお聞きし、QOL(生活の質)の向上度合いも評価いたします。
手術後の生活上の注意点
術後の生活指導
手術後の回復を促進し、合併症のリスクを最小限に抑えるために、以下の点にご注意ください。
鼻のケア(術後1週間)
鼻をかむ際は、両側の鼻孔を軽く押さえ、優しく行ってください。
強く鼻をかむと出血や合併症のリスクを高めるため、避けてください。
運動・飲酒(術後2週間)
激しい運動や重労働はお控えください。
アルコール摂取は禁止です。血管拡張作用により出血リスクが高まります。
その他(術後1週間程度)
大人数での会話や食事会への参加はお控えいただくようお願いしております。
内視鏡下副鼻腔手術(ESS)
内視鏡下副鼻腔手術(ESS:Endoscopic Sinus Surgery)は、鼻腔から内視鏡を挿入し、モニター画面を見ながら精密に行う低侵襲な手術です。副鼻腔の炎症や病変を除去し、正常な換気と排泄機能を回復させることを目的としています。
手術の流れ
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術前準備とナビゲーションのセッティング
患者様の顔の表面を専用のペンでなぞり、CT画像データと実際の鼻の形状をナビゲーションシステムに登録します。これにより手術中の器具の位置が正確に把握できるようになります。
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内視鏡の挿入と状態確認
鼻の孔から4mm径の高解像度内視鏡を挿入し、副鼻腔の状態を詳細に観察します。内視鏡画面を見ながら、長細い手術器械を用いて精密な操作を行います。
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副鼻腔の開放
閉塞した副鼻腔の開口部を慎重に拡大します。各副鼻腔(上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞)の自然口を適切に開大し、換気を改善します。脳や目といった重要な構造が近接しているため、高度な技術と専用の手術器械を用いて慎重に操作します。
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病変組織の除去
デブリッダーなどの器具を使用し、炎症を起こした粘膜や鼻茸(ポリープ)を精密に切除します。ナビゲーションシステムと連動した器具を用いて、安全性を確保しながら正確な処置を行います。
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止血処置
従来のガーゼパッキングは行わず、自然に溶けていくタイプの止血剤や、すぐに抜去できるスポンジ状の止血材を使用します。これにより術後の患者様の不快感を軽減し、早期の回復を促進します。
術後の注意点
- 術後数日間は少量の出血が続く可能性があります
- 一時的に鼻づまりが悪化し、頭痛や発熱が現れることがありますが、内服薬で対応します
- 術後数日後、1週間後と定期的に通院し、鼻内の血液や分泌物、痂皮の清掃を行います
- 抗生剤の内服やステロイド点鼻薬を一定期間継続します
- 副鼻腔粘膜の回復には最低3ヶ月程度かかるため、この間は定期的な鼻洗浄(鼻うがい)が極めて重要です
- 通常の副鼻腔炎では1年間、好酸球性副鼻腔炎では数年以上にわたる経過観察が必要となります
- 自宅でのセルフケア(鼻洗浄など)が重要です
- 頭痛、嗅覚障害、鼻づまりの悪化が見られた場合は、再受診の目安となります
など
手術の効果としては、70%程度の患者様でポリープなどの再発なく良好に経過します。ただし、好酸球性副鼻腔炎などの難治性の場合、重症度によっては半数以上の方に再発が見られることがあります。定期的な通院と適切な追加治療により、再手術を回避できる可能性が高まります。
内視鏡下鼻中隔手術
内視鏡下鼻中隔手術は、鼻腔内から内視鏡を用いて曲がった鼻中隔を矯正する手術です。鼻中隔の軟骨や骨を部分的に切除または移動させ、鼻腔の通気性を改善します。
手術の流れ
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麻酔の導入
全身麻酔を行い、患者様の術中の痛みや不安を完全に取り除きます。「2時間我慢することなく、気がついたら手術が終わっている」状態を実現します。
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内視鏡の挿入と粘膜切開
鼻腔内に内視鏡を挿入し、鼻中隔の状態を詳細に観察します。その後、鼻中隔の骨と軟骨を覆っている粘膜(左右どちらか)をメスで慎重に切開し、内部の軟骨を露出させます。
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軟骨・骨の修正
奥の方で過度に曲がった軟骨や骨(鋤骨・篩骨など)を切り取り、軟骨のたわみを矯正します。鼻の形状を維持しつつ、鼻中隔の弯曲を矯正します。
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粘膜の再建と縫合
修正された軟骨構造の上に粘膜を丁寧に戻し、切開部位を吸収性縫合糸で縫合します。糸は2週間~1ヶ月後に自然に溶けるため、基本的に抜糸の必要はありません。
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止血処置
大量のガーゼパッキングは行わず、特殊な綿状の止血剤(サージセル®、ソーブサン®など)を使用します。必要に応じて、アイバロン®というスポンジ状の素材を数日間留置することもありますが、これは1秒で簡単に除去できるものです。
術後の注意点
- 手術直後から数日間は、切開した側の鼻の入口からの出血が目立つことがあります
- 術後1~2週間は鼻の中の粘膜が腫れるため、一時的に鼻づまりが悪化しますが、時間の経過とともに改善します
- 術後1ヶ月程度は鼻の中に痂皮(かさぶた)ができますが、定期的な鼻洗浄(鼻うがい)で除去されます
- 痂皮がなくなり、鼻づまりが改善されてすっきりした状態になるまでしばらく時間がかかります
- 抜糸が必要な場合は、術後2週間~1ヶ月後に外来で15分程度の簡単な処置で行います
など
粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術)
粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術)は、肥大した下鼻甲介の粘膜下組織や骨を部分的に切除し、鼻腔を広げる手術です。内視鏡を使用することで、精密かつ低侵襲な手術が可能となります。
通常、経鼻腔翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)や内視鏡下鼻中隔手術などと併せて行われます。
手術の流れ
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術前準備と麻酔
患者様の状態を詳細に評価し、適切な麻酔方法(局所麻酔または全身麻酔)を選択します。
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内視鏡の挿入と
下鼻甲介の観察
高解像度の内視鏡を鼻腔内に挿入し、下鼻甲介の状態を詳細に観察します。肥厚の程度や範囲を正確に把握します。
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粘膜切開と骨露出
下鼻甲介の前端に小さな切開を加えて、内部の肥厚した骨(中骨)を露出させます。
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中骨の切除
専用の器具を用いて、肥厚した中骨を慎重に切除します。下鼻甲介の機能を維持するために、完全な切除ではなく、適度な薄さになるよう調整します。必要に応じて、過剰な粘膜組織も除去します。
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止血と創部処理
出血のコントロールを慎重に行います。当クリニックでは、患者様の快適性を考慮し、従来の大量ガーゼパッキングは行いません。代わりに鼻洗浄(鼻うがい)で溶解する特殊な止血剤や、容易に除去可能な細いスポンジ状の止血材を使用します。
術後の注意点
- 手術直後から約1週間は、軽度の出血や腫れが続くことがあります
- 術後の鼻閉感は徐々に改善していきます
- 定期的な鼻洗浄(鼻うがい)が重要です。これにより、腫れの軽減と治癒の促進が期待できます
- 通常、術後2週間から1ヶ月程度で鼻呼吸の改善を実感できるようになります
- 激しい運動や飲酒は避け、指示された通院スケジュールを守ってください
- くしゃみをする際は、口をあけて行ってください
- 処方された点鼻薬があれば、指示通りに使用してください
など
経鼻腔翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)
経鼻腔翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)は、鼻腔後部にある翼突管神経(後鼻神経)を切断する手術です。この神経は鼻粘膜の分泌や血流を調節しているため、切断することでアレルギー症状を軽減させます。
当クリニックでは多くの場合、粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術)と併せて実施しています。単独の手術では対応が難しい骨の硬化や肥厚を伴う症例においても、高い治療効果が期待できます。
手術の流れ
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術前準備と麻酔
患者様の状態を詳細に評価し、適切な麻酔方法を選択します。通常、この手術には全身麻酔を用います。
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内視鏡の挿入と神経の同定
高解像度の内視鏡を鼻腔内に挿入し、翼突管神経後鼻枝の位置を正確に特定します。この段階で、周囲の重要な血管や組織との位置関係も確認します。
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粘膜切開
神経が分布する領域の粘膜を慎重に切開します。この際、周囲の組織への損傷を最小限に抑えるよう細心の注意を払います。
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神経の切断
特殊な手術器具を用いて、同定された翼突管神経後鼻枝を選択的に切断します。
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止血と創部処理
神経切断後、出血のコントロールを慎重に行います。当クリニックでは、患者様の快適性を考慮し、生体適合性の高い止血剤を使用します。
術後の注意点
- 手術直後から数日間は、鼻づまりや微量の出血が続く可能性がありますが、これらは徐々に解消されます
- 術後2週間程度は、1%程度の確率で遅発性出血のリスクがあるため、激しい運動や飲酒は避けてください
- 術後1ヶ月間は、重要なイベントや長距離の旅行はお控えください
- 定期的な鼻洗浄(鼻うがい)を行い、鼻腔内を清潔に保ってください
- 処方された点鼻薬や内服薬がある場合は、指示通りに使用してください
など